春さきどり!「伊佐のひな祭り 福かざり」が想像以上の華やかさだった!

こんにちは、ひなあられ大好きサヲトメです。

伊佐市のお出かけスポットなどを紹介ブログ「イサタン」を見ていると、なにやら気になる記事を発見しました!

なんだか素敵なイベントが開催されている!

さっそくいくつかの会場を見て回ったのですが、華やかな福かざりを眺めながら、素敵なお話をたくさん伺うことができました。

この記事では、私が伺ったお話をベースに「伊佐のひな祭り 福かざり」に携わる人や想い・ほっこりするようなエピソードにフォーカスを当てて皆様にお届けしようと思います。

そもそも「福かざり」とは何なのか?

大口ふれあいセンター会場

私のように福かざりとはじめましての方向けに、まずは簡単にご説明を!

伊佐の福かざりは伊佐市商工会女性部・さくら工房さんが企画しているイベントで、今年で13回目を迎えます。

福岡県柳川市の「さげもん」とよばれるつるし飾りを基本としており、その始まりは江戸時代と言われています。

多くの一般家庭にとってお雛様は高価で手の届かないものでした。

子供の健やかな成長を祈るため、何かしてあげたい。そんな想いから家族やご近所さん同士が協力して、ちりめんなどの布で小さな人形をたくさんつくったものを一つにして飾ったと言われています。

柳川では「51さげ」と言われ、7列に7個の飾り、真ん中に2つの毬で全51個の飾りをあしらいます。昔の平均寿命が50年と言われる中で、1年でも長く生きられますように…という願いが込められているそうです。

この柳川のさげもんを基本としながらも、個人のアイディアをとりいれて思い思いの形にしたものが「伊佐の福かざり」として楽しまれています。

会場のひとつ「大口ふれあいセンター」では、福かざりと一緒につち人形やお雛様も展示されています。

この木製のお雛様は、約120年前のもの。長い年月を感じさせない状態の良さに、当時の職人さんの腕や大切にされていたのだろうと想像をめぐらせるのもまた楽しいのです。

つち人形の表情がかわいい…!!

さて、予習はOK!いくつかの会場をまわりながら、お話を伺ってみたいと思います。

川原商店

まずは大口会場のひとつ、川原商店さんへ。

ショーウィンドウを彩る福かざりたち

こちらではさくら工房の作家さん9名ほどの作品を展示しています。

コロンとした愛らしい形の七宝毬には、「人との輪がうまくいきますように」という願いがこめられています。

ひとつ飾りの置物としても人気のある七宝毬。

とある方は七宝毬をたくさん使った福かざりを作ろうとしているけれど、遊びに来るお友達に「可愛いね!」と言われるたびに「持っていかれます?」とプレゼントしてしまうため、なかなか出来上がらない…というエピソードも。(ほっこり)

酒屋さんである川原商店さんには、一升瓶を用いた「焼酎雛」も飾られていました!

伊佐を代表する焼酎3銘柄「黒伊佐・伊佐美・伊佐大泉」のラベルと着物がなんとも華やかです。回を重ねるごとに、着物も少しずつ手を加えているそうです。襟や裾をよく見ると3重になっており、細やかな造りに感動します。

兎年にちなみウサギモチーフの小物もたくさん。
ハスの実にあしらわれた細やかな細工も!

さくら工房の皆さんは、お仕事や家事・ご自分の用事の合間に少しずつ、想いを込めて作品を作り進めます。

何年か作品を作っていると、細部にその人らしさが出てきて「これはあの人の作品だな」というのが分かるものがでてくるそうです。

可愛すぎる…!

心惹かれる作品をみつけたら、ぜひどんな方が作られたのか伺ってみてください!

ファッションセンターいまむら

つづいても大口会場、婦人服をあつかうファッションセンターいまむらさんへ。

こちらに飾られている福かざりは、すべて今村さんお一人で作られたもの!

今でこそ作るペースがゆっくりになったそうですが、10年前は帰宅してご飯を食べて、洗い物をせずに夢中で縫い進めていたのだとか。どんどん出来上がるのが楽しくて、「あらもう9時?お茶碗洗わないと…!」ということもしばしばあったようです。

もともとお裁縫がお好きなのかと思いきや、13年前の福かざりイベントをきっかけにはじめられたのだとか…!

「伊佐は寒いし、陸続きだけど山に囲まれている陸の孤島でしょう?だから、なにか人が集まることをできたらいいなって横山さん(当時の商工会女性部長)がおっしゃったのがはじまりだったのよ。」

菱刈会場にもなっている園田先生に習い、お店を閉めたあとの19:30~21:30まで2時間ずつの教室を月に2回。

最初は木綿の生地を使って練習し、2年目からはちりめんや正絹などを取りいれていったそうです。

お客様からお着物をいただくことも多く、留めそでの柄を活かしたデザインや絞りの羽織をもちいた壁掛けタイプのデザインのものも飾られています。

こちらのウサギは、お子さんの7つ祝いのときのお着物を使用されたそう。着物を着る機会が少なくなってしまった今でも、形を変えてみる人を楽しませてくれています。

こちらは干支にちなんだコーナー。

ん…?トラだけ背中をむけているのはどうして…?

「なんで後ろむいているかっていうとね。『ネズミね!?』ってお客さんにいわれたのよ(笑)。だからトラの模様がみえるようにね、後ろむかせてるの(笑)」

このエピソードと、トラのかわいい表情に完全にハートを撃ち抜かれたわたくし。

いまむらさんでは作品を購入できるため、うちの子になってもらいました(笑)

見るたびに思わずにっこりしてしまうので、パソコンの横に置いて休憩中に癒してもらっています。大のお気に入りです!

園田様邸

いまむらさんで伺ったお話をもとに、次は菱刈会場・園田さんのお宅へ伺ってみることに。

えぇぇ!!!

ズラリとならんだ華やかな作品の数々、思わずため息かでるほどの美しさです…!今回展示なさっている福かざりはすべて、ここ2~3年の作品だそうです。

3歳を迎えるお孫さんのためにと、書籍を見ながら独学でつるし飾りをつくりはじめ、ご自宅に飾っておられました。

はじめてから3年がたった頃、商工会女性部の横山さんがご自宅を見学にいらしたことをきっかけに、商工会女性部さんから教室を依頼されたそうです。

「私は素人だから、皆さんに見てもらおうなんてまったく考えなんてなくて。毎年見ていただけるようになるなんて、すごく有難いことですよね。」

もともとお裁縫は好きではなかったんですよ、と話す園田さん。

「やってみたいけど、自分にはできないなとおっしゃる方にも『雑巾が縫えますか?ボタンがつけられますか?できるなら作れますよ!』ってお伝えしているんですよ。」

はじめられたころ3歳だったお孫さんは現在24歳。そのお孫さんも女の子のお母さんになり、ひ孫さんのひな祭りの準備を進めていく予定だそうです。

「毎年必ず来てくだるお客様がたくさんいらっしゃるんです。作品をみて、元気をもらえるっておっしゃってくださる。その言葉に私も元気を頂いています。本当にありがたいことです。」

親から子、子から孫、そして次の世代へ。ひと針ひと針想いの込められた福かざりが、家族の輪をもこえて多くの方に元気を届けています。

「ちゃいっぺ」人形

園田さんとお話していると、どんどんいろんなことにチャレンジしてみようと自然に意欲が湧いてきます。

男の子のひ孫さんも誕生したそうで、5月にむけて準備したいと話す園田さん。素敵なお話をありがとうございました!

福かざりのあゆみ(商工会女性部・横山初美さん)

こんな素敵なイベントを企画された方に、ぜひお話を伺ってみたい…!ということで、商工会女性部・横山初美さんにお話しを伺ってきました。

伊佐の福かざりがはじまった経緯を教えてください!

菱刈と大口が市町村合併をして伊佐市が生まれたころに、何か町おこしでできることはないか探していました。

そんなときご近所の園田さんのお宅がステキだよ、というウワサを耳にして。実物を見てすごく感動して、これなら女性ならではの視点で町おこしになるんじゃないかって。それで商工会女性部に声掛けしてみたことがはじまりです。

さくら工房さんは全員、商工会女性部に所属されているんですか?

福かざりの1回目・2回目は商工会女性部の有志で企画しました。その展示を見てくださった地域の方が、自分たちも作ってみたいとおっしゃってくださって。今ではメンバー約30人のうち、商工会10人、地域の方が20人おられます。

実際に福かざりを作られてみて、いかがでしたか?

お裁縫に慣れていないから、最初のうちは小さいお人形一つ作るだけでも大変でした。でもイベントを成功させたい一心で、がむしゃらにやっていたらどんどん楽しくなってきて。今となってはすっかり趣味ですね。

柄合わせとか、奥が深いんですよ。おなじ福かざりを作るとしても、選ぶ布や着物の柄のどの部分を持ってくるとか。それで全然ちがったものになる。皆さん楽しんで作られています。

今回で13回目の開催ですが、印象に残っている出来事はありますか?

見に来てくださる方で、おじいちゃんとおばあちゃんが仲良く手を繋いでいらしたんですよ。

「そうやって歳を重ねられたら素敵ですね」ってお伝えしたら「お互い手を握っちょかんと、転んでやな」っておっしゃって。福かざりをたまたま見に来てくださった方から、そういう言葉に出会えるのが凄く印象に残ってます。

福かざりが、人と人を繋ぐきっかけになっているんですね。

そうですね。福かざりを見て喜んでくださる方をみると、「喜んでもらってよかった、また来年も頑張ろう」っておもえるんですよね。それが嬉しいから今まで続けてこられたんだと思います。

今後このイベントをどのようにしていきたいですか?

今後は個人宅や小さな会場での開催が多くなると思います。会場を増やすことと、一カ所に飾る数を充実させていきたいです。若い方でも、興味をもってはじめてくださる方がいたら嬉しいなと思います。

以下ページでは、これまでの福かざりの歩みを知ることができますので、是非ご覧ください。

市内各所の会場を訪れてみよう!

今回ご紹介した会場は、「伊佐のひな祭り 福かざり」の一部です。

むすびに、私がキュンとした写真をご紹介して、福かざりレポートを締めくくりたいと思います。

会場ごと・作品ごとに、さまざまな想いやエピソードをうかがえる事が出来るのも複数会場あるゆえの醍醐味。

全11会場で開催されているので、ぜひ足を運んでお話しを伺ってみてくださいね!

マルミヤ
ふくどめ
大口グリーンホテル

各会場の情報はイサタンでチェックしてみてくださいね。

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